駅にはさまざまなサイン(=案内表示)があります。 「ここは出口」「銀座線はこちら」「右側通行」「ここからは乗り換えできません」…… 掲示されたサインたちは、利用者に対して案内や注意喚起をしています。

オフィシャルなサインは、鉄道会社ごとに定められた〈サインシステム〉に従ってその見た目が作られています。

しかし、規定のフォーマットに沿った案内表示だけでは伝えきれないことも生じてしまい、貼り紙など、手作りのサインとして現れたりします。

例えば

国会議事堂前駅の難関分岐点

国会議事堂前駅(2009年)
2009年
国会議事堂前駅(2019年)
2019年

千代田線を降り、丸ノ内線に乗り換えようとすると途中で現れる「丸ノ内線はこちら」といった趣旨の案内の群れ。 なぜ同じ内容が3つも並んでいるのでしょうか。

この場所で丸ノ内線への誘導が執拗なのには理由がある。 丸ノ内線のホームに行くことができるのは柱より手前の階段だけで、奥の階段は出口にしか通じていない。 地下駅の複雑なつくりと見通しの悪さが要因となって、野良サインが出現しやすいスポットになってしまっている。

巣鴨駅の「この先入口」

巣鴨駅(2013年)
2013年
巣鴨駅(2019年)
2019年

オフィシャルのサインよりも大きな貼り紙。 「都営三田線→」と同じ意味ではあるのだが、それでも「この先 入口」と書いて伝える必要があるのだろうか。

この写真のつきあたりを左に行くとすぐ改札口があるのだが、そこは出口専用改札になっていて入場はできない。 入口専用の改札は、このサインたちが言っているとおり右側にあるのだが、恐らく間違える人が多いのだろう。

☟ この他にもたくさんの事例を紹介しています ☟

➜ アーカイブ室を見る

野良サインの本

野良サインに関する小冊子を発行しています

銀座線で見た野良サイン
発行:2016年
➜ くわしく
銀座線で見た野良サイン[2018]
発行:2018年
➜ くわしく
えきなか まちなか ビーポップ
発行:2021年
➜ くわしく
片側通行ポスター・ハンドブック[2017春]
発行:2017年
➜ くわしく

メディアでの紹介

ウェブメディア・新聞・ラジオで取り上げられました

『マニア流!まちを楽しむ「別視点」入門』(学芸出版社・2023年)

合同会社 別視点が編纂した書籍に〈野良サインマニア〉として受けたインタビューが掲載されています。

デイリーポータルZ(2017年)

ライターのスズキナオさん執筆の記事〈駅の「注意喚起アート」を探し回ると駅を歩くのが楽しくなる〉に協力しました。

半蔵門線・大手町駅の「あぶない!!」サインを起点に、いろんな駅の野良サインをナオさんと探訪。こうした取材は初めてだったのですが、かなり楽しくてめちゃくちゃテンションが高かったです。

日経MJ(2018年11月19日)

〈自分、器用ですから…鉄道員アート〉という題の記事に協力しました。

担当記者の山田さんから取材を受けた際に東梅田駅のサインの話をしたのですが、掲載記事を見たら実際に大阪に出向いて取材をされていたと知り、ひっくり返りました。

東京別視点ガイド(2018年)

〈あなたは「野良サイン」を知っているか?〉という記事に協力しました。

別視点の松澤さん・木村さんとともに3人でJR渋谷駅を散策し、野良サインを撮り集めました。気付いたらガイドに徹してしまっていたこともあり、記事中の渋谷駅の写真はほぼ全て木村さん撮影のものです。

ニッポン放送『あなたとハッピー』(2020年)

平日朝のラジオ番組の5分コーナー〈私、熱烈マニアです〉の2020年4月15日放送回に出演しました。

コロナ禍による在宅勤務に飽きてきた時期に出演依頼を受けたため、準備〜放送後までとても良い刺激を得て心の支えになった思い出があります。垣花さんから「ちかくというお名前の由来は」と台本に記載のない質問を受けてフリーズしました