〈野良サイン〉とは、大雑把に言えば駅などでみられる手作りの案内表示のことです。
駅にはさまざまなサイン(=案内表示)があります。 「ここは出口」「銀座線はこちら」「右側通行」「ここからは乗り換えできません」…… 掲示されたサインたちは、利用者に対して案内や注意喚起をしています。
オフィシャルなサインは、鉄道会社ごとに定められた〈サインシステム〉に従ってその見た目が作られています。
しかし、規定のフォーマットに沿った案内表示だけでは伝えきれないことも生じてしまい、貼り紙など、手作りのサインとして現れたりします。
そうした、サインシステムから逸脱してしまっている案内表示を野良サインと呼び、撮り集めています。
千代田線を降り、丸ノ内線に乗り換えようとすると途中で現れる「丸ノ内線はこちら」といった趣旨の案内の群れ。 なぜ同じ内容が3つも並んでいるのでしょうか。
この場所で丸ノ内線への誘導が執拗なのには理由がある。 丸ノ内線のホームに行くことができるのは柱より手前の階段だけで、奥の階段は出口にしか通じていない。 地下駅の複雑なつくりと見通しの悪さが要因となって、野良サインが出現しやすいスポットになってしまっている。
オフィシャルのサインよりも大きな貼り紙。 「都営三田線→」と同じ意味ではあるのだが、それでも「この先 入口」と書いて伝える必要があるのだろうか。
この写真のつきあたりを左に行くとすぐ改札口があるのだが、そこは出口専用改札になっていて入場はできない。 入口専用の改札は、このサインたちが言っているとおり右側にあるのだが、恐らく間違える人が多いのだろう。
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➜ アーカイブ室を見る野良サインに関する小冊子を発行しています
ウェブメディア・新聞・ラジオで取り上げられました
ライターのスズキナオさん執筆の記事〈駅の「注意喚起アート」を探し回ると駅を歩くのが楽しくなる〉に協力しました。
半蔵門線・大手町駅の「あぶない!!」サインを起点に、いろんな駅の野良サインをナオさんと探訪。こうした取材は初めてだったのですが、かなり楽しくてめちゃくちゃテンションが高かったです。
〈自分、器用ですから…鉄道員アート〉という題の記事に協力しました。
担当記者の山田さんから取材を受けた際に東梅田駅のサインの話をしたのですが、掲載記事を見たら実際に大阪に出向いて取材をされていたと知り、ひっくり返りました。
〈あなたは「野良サイン」を知っているか?〉という記事に協力しました。
別視点の松澤さん・木村さんとともに3人でJR渋谷駅を散策し、野良サインを撮り集めました。気付いたらガイドに徹してしまっていたこともあり、記事中の渋谷駅の写真はほぼ全て木村さん撮影のものです。